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2020.06.10 猿面冠者
小説書きの男がいる。「風の便り」という作品を書こうと思いつく。構成はこう、中身はこう……なるほど、ふむふむ、と思って読んでいたら、最後の最後で大逆転が起こる。

「風の便り」をいいなあ・・・なんて思って読んでいたから、余計に裏切られた気分。
太宰は推理小説もいけるのでは? と思う作品。
もっと長生きして、大衆向けも書いていたらもしかしたら・・・いや、それはないか。
太宰って、人生をごりごり削って小説書いていた感じの人だと思うので。
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パターンプラクティス発展編:受動態3より

The man wrote a sentence with a pencil.
→受動態に直す

まず、ぱっと見にだまされてはいけない。
普通、受動態に直す際、例えばShe loves me.ならばI am loved by her.となるように、一番最後の単語が主語になるような気がなんとなく、する。
だが、文意を考えれば、「書かれた」のはsentenceなので、これが主語になる。すなわち、

A sentence was written with a pencil by the man.

・・・・・・・・・・・・・などと、そんなことはどうでもよい
気になるのは
「with a pencil」のところ。

つまり、この男の人は、ボールペンでもサインペンでも万年筆でもなく、鉛筆を使って書いたわけだ。

ふむ。

ということは、このthe manはboyである可能性が高い気がする。
いや、でもわざわざthe manというからには、本当に男の人なのか・・・ならばなぜ、鉛筆なのか。
大人の場合、ボールペンの方が使用率が高い気がする・・・ということは、これは、おそらく、

「あ、待って待って。今、メモするから。えっと、ボールペンと紙・・・ちっ、ないなあ。あ、とりあえず紙はチラシでいいか。ペンは・・・おっとここに息子(娘かも)が置きっぱなしにした鉛筆がある。これでいいか」

というシチュエーションなのではないだろうか。

このシチュエーションで書く文・・・自分の用事ならば、「待ち合わせの時間、場所」みたいなものだと思うので、「文」にはなりにくい気がする。
となると、伝言系、だろうか。
もしくは、相手がものすごくいいことを言って、メモしておきたかったか。

うーん・・・何だったのかなあ。

間違っても「雨の降る日は、天気が悪い」(by太宰治「HUMAN LOST」より)ではないだろう。
nuisance・・・迷惑
(例文)It is a nuisance to the neighbors.

この例文読んで思い出した動画↓




いや、すごいけどさあ。

ちなみに、ニコニコ動画では「スタイリッシュ近所迷惑」というタグがついていました。
2020.06.07 道化の華
これか。この作品かあ。うむ。
正直に言えば、言及したくない、でも、太宰でこれを避けてはだめでしょう、な作品、という印象です。
『人間失格』と読み比べられることが多いと思います。
なんというか、初期にこれがあって、これが熟成して『人間失格』になった・・・感じがします。主人公の名前も同じだし。
でも、全体的に、この作品、わざとらしいんですよ。
もちろん、それもわざとで、作者は狙ってやっているんだと思うんですけどね。
だけど、そのわざとらしさがいらっとくるんですよ。少なくとも、私は。
だって、夢中になって読んでいたら、いきなり体をかわされる感じで・・・特に初期は、そういう作品が多いような気がします。
若いころはまんまとはまって、かちん、ときていました。
今はそれほどでもないですけどね。
でも、やっぱりいらっとする・・・これも太宰のペースにやられているってことなんでしょうね。
Emily didn't forgive him.

これを受動態にすると

He wasn't forgiven by Emily.

・・・なんだろう。同じ意味のはずなのに、全然違う気がするんですよねえ。

Emily didn't forgive him.の場合:

「おばあちゃん、もうあたしのこと、覚えてないのかな」
施設へのお見舞いの帰り、孫がひっくとしゃくりあげた。
エミリーは高齢になり、いろんなことがわからなくなっている。娘の顔も、孫の顔もわからない。今日が何日なのかも、朝ごはんを食べたかどうかさえも。
「そうやってね、たくさんの記憶を地球において、人は旅立っていくのよ」
そうやってわが子をなだめる娘も、切なくてたまらない。
そんなエミリーもこの世を旅立つ時がきた。
家族が見守る中、ふと、エミリーは机の上の写真に目をとめる。
「ああ、あなた。そこにいたのね」
それは、十年前に亡くなった夫の写真。そしてエミリーは微笑み、息をひきとる。
「おばあちゃん、おじいちゃんのことだけは忘れなかったのね」
娘の目に涙が光る。

He wasn't forgiven by Emily.の場合:

とある王国の、山岳地帯にある小さな村。
村人は協力し合いながら生活している。
貧しいながらも平和な村に、衝撃の知らせが走る。
近くの山に魔物が現れるようになったという。
魔物は人を食らう。倒せるのは「忘却の剣」のみ。
忘却の剣……それは、一振りするごとに、まわりの人間が、使った人間にまつわる記憶をなくしていくというもの。
つまり、魔物を払って村に帰った時には、だれ一人、その者のことを覚えていないという可能性があるのだ。
なぜそのようなことになったかというと、かつて、勇者が、魔物をはらって戻ったのちに、恩にきせて横暴なことをしまくったゆえ、二度とそのようなことのないよう、神官たちによってそのような「呪い」がかけられたのだ。
「使えば、みなが、自分を忘れる」
そのような剣を使いたがる人間は、いない。
だが、誰かがやらねば、村は全滅する。
「俺が行こう」
一人の若者が立ち上がる。
若者には恋人がいた。エミリーというかわいい村娘。結婚するつもりでいた。
「私は、忘れないわ。あなたとの思い出が、たくさんあるから。百の思い出を忘れても、百一の思い出のうちの一つがある限り、私はあなたを忘れない」
そして、若者は魔物を退治に行く。
たくさんの魔物を殺し、魔王を退治し……戻った若者を、歓迎するものは一人もいなかった。その剣の「呪い」のごとく、だれもかれもが若者を忘れていた。よそ者だと石を投げるものさえあった。
「魔王は手ごわかった……エミリーも俺を忘れているだろう。それでも一目、彼女に会いたい」
そっと物陰から見るだけでいい・・・そう思いながら、若者はエミリーの家のそばへ行く。
エミリーは若者に向かってかけてきて、抱き着く。
「おかえりなさい」
彼はエミリーに忘れられなかったのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・というくらい、違う気がするんですよねえ・・・。