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2023.05.16 落語:釜盗人
4月20日は落語「釜盗人」でした。

昔々のとある時、泥棒たちは釜を盗もうと決めた。そして、店、食堂、家……すべての場所から釜が消えていった。
ある町の豆腐屋の夫婦は話をした。
「この町の店から、釜が盗まれているって。次は家かもしれないわ。もし、釜が盗まれたら、大豆を煮れなくて、豆腐を作れないわ」
「大丈夫。俺にいい考えがある。夜中、釜を守るんだ」
「徹夜するってこと?」
「ちょっと違う。釜の中で寝るんだ。そいでよ、夜中に泥棒が現れたらよ、俺が飛び出していって、ぱんぱーんとやっつけてやるんだ」
「ああ~、そりゃ、おまえさん、いい考えだねえ」
こうして、釜の中に布団を敷いて寝る主人。
夜中に二人組の泥棒がやってくる。
「しめたっ。鍵、かかってねえ。おい、見ろよ。でっけえ釜があるぜ」
「おっ、こいつは運がいい」
泥棒たちは、釜を棒にくくりつけ、肩にかつぐ。
「よっこらせーのせっ……兄ぃ、この釜、やたら重くないか?」
「釜ってぇなぁ、重い方が高く売れんだよ。こいつは運がいいぜ」
だけど、釜は重すぎて、まっすぐ歩けない。釜はゆーらりゆらりと左右に揺れる。
一方、釜の中の主人はってーと……起きない。それどころか、いびきをかいて寝ている。
それを聞いた泥棒は……。
「兄ぃ、この釜、いびきかいてまっせ」
「バカ。釜がいびきかくか。どこか近所の人のいびきだよ」
「幽ちゃん……幽霊じゃないといいけど……」
泥棒は歩き続け、釜は揺れ続ける。
そうして、ようやく、釜の中の主人は目を覚ました。でも、真っ暗で、何も見えない。そこで、手を伸ばして、ふたをちょっとずらすと……。
「あ、あ、兄ぃ、釜から手が出てきた!」
「なんだって? 幽ちゃん付きかよ!」
釜を置いて逃げ出す泥棒たち。
一方、釜から出てきた主人は……。
「え、俺、外にいる? なんてこった。泥棒のヤツ、釜を盗まずに、俺んちを盗んでいきやがった」


・・・・・・・・・・・・・・途中、脳内で柳家権太楼さんとか三遊亭兼好さんの声で再生されてしまったため、一部、英語のとおりではなく、思いっきり付け加えておりますこと、ここに付記しておきます。

それにしても、落語に出てくる泥棒って、なんかまぬけでいいですね。夏泥とか転宅とかも楽しいです。また上野に聞きにいきたいなー。
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2023.05.15 モナリザ泥棒
4月19日は「モナリザ泥棒」でした。

1911年8月、フランスのルーブル美術館からモナリザが盗まれた。
盗んだのは、美術館で働いていた、イタリア出身の男、ビンセンツォ・ペルージャ。彼はメンテナンスの仕事をしていたが、モナリザを見るたびに、思っていた。
「モナリザはイタリアにあるべきだ。フランスじゃない」
というのも、モナリザはイタリアから盗まれて、フランスにあるのだと思っていたから。実際は、フランス国王が1500年代に買ったものだったのだが。
そうして、美術館が閉まった後に、モナリザを盗んだ。フレームを入れて90キロくらいあるので、おそらく他に協力者がいたと思われる。次の日になるまで、気づかれなかった。
その後は、二年ほど、ビンセンツォがモナリザを持っていて、イタリアに戻す機会をうかがっていたようだ。そして、ようやく、イタリアの画商に売る算段がついた。が、画商は、絵が本物とわかると警察に通報。ビンセンツォは逮捕された。
でも、モナリザがイタリアに戻ってきたと喜ぶ人たちもいた。そのせいか、ビンセンツォは七か月ほどで釈放。そして、フランスのルーブル美術館に返却される前、モナリザはイタリア中を回った。母国でモナリザを見られた人たちは大喜び。
ほとんどの人にとって、ビンセンツォは泥棒である。だが、ある人たちにとっては、ヒーローなのだ。


先月、勝常寺に仏像を見に行きました。
そこには、薬師如来、日光菩薩、月光菩薩、という三体の国宝がありまして・・・そして、この三体が並んでいるのを見られるのは、寺の葺き替え工事中の間だけ(終わると薬師如来は本殿に帰るから)だったので、非常にラッキーでした。
そして、このお寺の宝物殿には、他にも県指定とか国指定の記念物になっている仏像がいろいろありまして・・・その中の一つ、広目天の像は、国立博物館に貸し出し中なのだとか。そして・・・

「もう、ずいぶん長いこと、返ってこないんですよね~」

企画展のほうではなく、常設展の方の扱いで、時々入れ替えしながらも、ずっとあっちで飾られているのだとか。

・・・・・・・・・・ということは、日本に置きかえると、国立博物館で働いている福島県出身の人が、「この広目天は、おらが県のものだんべ!」と盗んで持って帰って来ちゃった、みたいな、話、ってことに、なるんでしょうか。
いやっ。いやいやいやいや、それは、やっちゃダメでしょう!!


それはそれとして、国立博物館さん、できれば、広目天さんを、そろそろお寺に返してあげてほしいなあ。四体そろっているところをみたいので。
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2023.05.15 私は特別?
4月18日はオリジナルストーリー「私は特別?」でした。

ユカはミレイと話をしている。
ミレイが言うには、イツキはイケメンで、女の子たちはみんな彼に見とれていると。でも、小学校の時から一緒だったユカにはぴんとこない。
「彼のバイクの後ろに乗せてもらえたらなあ!」とミレイ。
「頼んであげようか?」とユカ。
「だめよ。彼、絶対、女の子を乗せないの。これまでにも、たくさんの子が頼んでいるけど、返事は決まってNo!なのよ」
ふと、スマホ(phoneとしか書いていないけれど、このご時世、きっとスマホでしょう・・・と言っている私は今なおガラケーです。ちなみに母の形見なので、使えなくなるその日まで使い続ける予定)をカフェテリアに忘れてきたことに気付いたユカ。
「取ってくる!」
「もう、バスが来ちゃうわよ」
「もし、時間内に戻らなかったら、先に行ってて!」
カフェテリアに戻るユカ。スマホはない。
そこへ現れたイツキ。彼が見つけて生徒会室に持っていったという。
スマホを取り戻し、バス停に戻ると、ちょうどバスが出てしまった!
「あーあ。三十分待つか、四十分歩くか・・・どっちもやだなあ」
そこへバイクで現れるイツキ。
「乗って! あのバスに友だちが乗っているんでしょ。バスより先に駅につくから。そうしたら、友だちと合流すればいいよ」
思わぬシチュエーションにときめくユカ。
風を切って走るバイクはとても気持ちがいい!
「今の季節は、特別、気持ちいいんだ」
「えー、なんて言ったの?」
「今は特別・・・」
「聞こえないよー」
「なんでもない」
そうして駅についたユカ。
「ありがとう」
「これは特別だよ」とイツキ。
「知ってる。女の子、乗せないんだってね。でも、今日は特別、私に親切にしてくれたんでしょ。ありがとう」
「違うよ・・・君が、特別なんだ」
「えっ、それって、どういう・・・」
「じゃあね!」
去っていくイツキ。近づいてくるミレイ。
「ちょっと。詳しく話、聞かせなさいよね」

・・・・・・・・・・・いいなあ。青春だなあ。こんな甘酸っぱい、ときめきシチュエーションの経験はないけど(笑)。
ついでに、転勤族だったので、幼馴染の男の子が大きくなってかっこよくなって胸キュン、ってシチュエーションもないんですよねえ。
まあ、キムタクと松重豊さんが同時に画面に映っている時は、確実に松重さんを見ている(『孤独のグルメ』を見て、お気に入りの俳優さんになりました)私なので、もし幼馴染がかっこよくなっていても、永遠にぴんとこないでいる可能性が高いですが。
4月17日は大分県の南部にある豊後大野市でした。
温泉で有名な大分県ですが、豊後大野市には温泉がないのだそうです。そこで、考え出されたのが、サウナ。なんでも、豊後大野市には人が泳げるくらいの水をたたえた鍾乳洞があり、そこを天然の水風呂として使っているのだとか。元々、400年ほど前から、僧侶が治療のために岩穴にこもり、岩の上に薬草を置いて岩を熱してサウナにしていたそうで、それをヒントに、
「じゃあ、サウナ作って、鍾乳洞の天然水風呂に入れば、お客さんが来るんじゃないか?」
と作られた・・・そうです。
SUPというボートで鍾乳洞の中を探検できるらしいです。

おらが住む福島県にも鍾乳洞がありまして、その中に、入水鍾乳洞、という、水の中を這って歩くような、すごい鍾乳洞があります。
一回だけ行ったんですが、寒いし、水は冷たいし、狭いし、ぶつかると痛いし……でも、脳内からアドレナリンか何か出てたのでしょうか、最後は手足は冷たいんだけど(感覚がない感じ)なんとなく汗ばんでる? みたいな感じでした。鍾乳洞から出たら、体が凍えていて、すぐそばのお風呂に入った時の幸福感といったら!
楽しかったか楽しくなかったかで言えば楽しかったのですが、もう一度やりたいかと聞かれたら、二度とやりたくないです(笑)。
あの冷たさを思い出すと、この大分の鍾乳洞の中の水風呂も・・・実は相当なのではないか、などと思ってしまうのです。
鍾乳洞をボートで探検するのはやってみたいですが。
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2023.05.05 西遊記2
4月14日は西遊記の二回目でした。

ある夕方、とある村にて、若い女が泣いているのを聞いた。
なんでも、だまされて、ブタの怪物と結婚しなくてはいけないらしい。
「おいらが助けてやる!」
孫悟空は女性に化け、ブタの怪物のところへ。
ブタは食事を用意しろと言うので断り、元の姿に戻って捕まえた。
「助けて! 俺の名前は八戒。極楽に住んでいたんだけど、酔っ払って地上に落ちてしまった。その時、ブタの口の上に落ちたんで、こんな姿になってしまった。すると、親切な神様が(・・・あれ、前にも出てきたよね・・・)三蔵法師という僧の弟子になったら、元の姿に戻してやると(おや・・・デジャブが・・・)言うんだ」
「このお方こそが、その三蔵法師様だ」
「ええっ。どうか、弟子にしてください」
「いいでしょう」
こうして、三人で旅をすることに。
夏がゆき、秋が過ぎ、冬に入りかけた頃、三人は大きな川にでくわした。あまりに大きくて向こう岸が見えず、黒くて大きな波が立っている。
どうしたらいいのか……
すると、突然、川から怪物が出てきて、三蔵法師を川の中へ引きこもうとした。
「三蔵法師様!」
孫悟空と八戒は怪物と闘った。長い闘いだった。でも、ついに、川の怪物が言った。
「あっしは沙悟浄。極楽に住んでいたのだが、悪いことをしたので、川の怪物に変えられた。親切な神様が言うには(またお前か!)、三蔵法師という僧の弟子になれば、元の姿に戻してやると(またまたデジャブ!!)言うんだが」
「お前の目の前にいるのが、三蔵法師様だ」
「ええっ。弟子にしてください」
「いいでしょう」(←いいのか? 殺されかけたのに?)
こうして、四人で天竺を目指すことになった。


前回は、冗談半分で、親切な神様があやしいとか書いちゃったんですけど、真面目にこいつが黒幕な気がしてきました。
天国の厄介者を三蔵法師に押しつけて、何をしようとしているのか。

1.三人の改心
2.三蔵法師暗殺
3.三蔵法師に厄介者を押し付けているうちに、別のごひいきな誰かに経文をさずけようとしている

私の頭に浮かぶのはこんなところですが・・・順当に考えれば1でしょうね。
それにしても、くせのある三人を押し付けられた三蔵法師・・・なんだか、凄腕ベビーシッターに見えてきました・・・。